高額で取引される仔猫たち
新型コロナウイルスが流行している中、ペットを飼いたいという人が増えています。
しかも、保護猫を飼うのではなくペットショップで数十万というお金を出して購入している人が増加しています。仮に20万円出して仔猫を買ったとしましょう。それだけの金額
があったなら、保護猫なら何年生活できるでしょうか?ペットショップで買うのがいけないという訳ではありません。「猫を飼う=ペットショップ」という手段の他に「猫を飼う=保護猫を譲り受ける」という手段もあります。保護猫なら、20万円あれば数年分のフードとおもちゃ・ケージなど必要な物品が揃えられます。猫を飼うのなら、ペットショップだけではなくボランティアなどから保護猫を譲り受けるという選択肢も頭の中に入れてください。
私のもとに耳を疑うような信じられない言葉が入ってくることが度々あります。それは「病気になってしまって、お金がかかるから引き取って欲しい」、「引っ越すことになり、引っ越し先で飼えないから引き取って欲しい」という言葉。動物とはいったい何なのでしょうか?人間のおもちゃ?それとも一時的な癒しのためだけの使い捨ての存在?違います。人間と同じ、「ひとつのいのち」を持った生き物なのです。飼い主が病気になったなどのやむを得ない理由ならまだわかります。しかし安易な気持ちでそのような発言をするものではありません。そのような人は「人間失格」です。安易な気持ちで動物を飼わないでください。猫や犬から見れば人間はかけがえのない「家族」なのです。もし私たちが信じている人から裏切られたらどう思うでしょうか?最初に文句を言い、悲しい気持ちになるのではないかと思います。しかし猫や犬は言葉を喋れません。動物も裏切られたら同じ気持ちになるのではないのでしょうか?一度動物を飼い始めたのなら、最後「虹の橋」を渡るまで家族として責任をもつ、それが動物を飼う「飼い主」としての最低限の約束です。そんな約束を守れないのなら動物を飼う資格はありません!猫や犬1匹を飼えないのなら人間の子供を育てることなど無理だと思います。
私が暮らす神奈川県南足柄市は、川と山に囲まれた自然豊かな土地です。そんな自然豊かな土地でも時には残酷な現場となります。
周囲に山が点在するため、カラス・ハクビシンやクマなどの野生動物も多く存在します。もしそんな環境の中に「飼えない」という理由で動物を捨ててしまったなら間違いなく野生動物の犠牲となってしまいます。先日、テレビのニュースで報道されていた生後間もない仔猫を袋に入れてゴミ集積場に遺棄するという事件がありました。しかし残念ながらそれと似たような事件も過去に発生しています。生まれたばかりの仔猫を袋に入れて川に流してしまったり、明らかに自力で出ることが不可能なくらい深い箱の中に仔猫を入れて遺棄したり・・・。また、畑に糞をするという理由でエサに農薬を混ぜて与えている農家もいると聞きます。これらは「まともな人間」のする事ではありません。異常者です。同様に傷つけるのも同じです。幸い、日本には「動物愛護管理法」という法律があります。警察もこの法律が存在する以上、通報があった場合は捜査しない訳にはいきません。捜査し犯人を検挙することでしょう。「動物愛護管理法」の罰則の一例を挙げますと以下の通りとなります。
・愛護動物をみだりに殺したり傷とけた者
→5年以下の懲役または500万円以下の罰金
・愛護動物に対し、みだりにえさや水を与えずに衰弱させるなど虐待を行った者
→1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・愛護動物を遺棄した者
→1年以下の懲役または100万円以下の罰金
動物を飼う予定のある人は、事前にもう一度「いのちの大切さ」を考えてください。
よくペットショップで「この子、可愛い」「この子は可愛くない」などと話をする親子を目にします。そこで私から質問。可愛い子と可愛くない子の違いは何ですか?基準は何ですか?説明してください。と言いたくなることがあります。私が思うには、その子を見た人の好みが基準であると思います。結論から言うと「可愛くない子は存在しない」のです。中には交通事故や心無い人間からの虐待で顔や体型・容姿が変わってしまった子もいます。でも、生まれた時からそのような顔や体をしていた訳ではありません。生まれた時は、純粋でうそ偽りのない、綺麗な目をして生まれてくるのです。私たち人間が顔や体を傷つけて人間がそうしてしまったのです。人間の手で暴力を振るったり交通事故で「猫だからいいや」と安易な考えで助けずに走り去ってしまったりと、心無い人間の行動がそうしてしまっているのです。
以前、私が飼い犬(保護犬)と散歩をしていた時に、ある大きな木の根元に不自然な大きな箱が置いてあることに気が付きました。飼い犬も匂いで分かったのか、駆け足でその箱に駆け寄りました。すると箱の中は信じられない光景で愕然としてしまいました。なんと生後間もない、小さな仔猫が5匹も入っていたのです。私はすぐに神奈川県平塚市にある「動物愛護センター」に電話しました。担当者の話では「拾得物扱いになるので勝手に保護できない。警察からの保護依頼があってはじめて保護できる」との話でした。通話を終えてすぐに警察に電話しました。警察の担当者の対応は「平塚にある動物愛護センター」に連絡してくれとの事。やる気のない様子でそう言われました。警察にはセンターに連絡したこと、センターの職員から警察に連絡するよう言われた事を伝えましたが「今は他の件で人が出払っている」との返事。頭上にはカラスが数羽飛んでいました。猶予はありません。仕方ないので駅前にある交番に行き、対応してくれた婦警さんに一連の流れを説明し、先ほどの電話での対応についてお詫びをしてくれました。婦警さんが無線のような機器で巡回中のパトカーに連絡、一旦拾得物として警察署で保護し、その後は愛護センターで保護されるとの事でした。警察署には猫好きな職員さんも多いらしく、心配しないでくださいと言われました。もしかしたら散歩中に捨て猫を見つけた人がいるかもしれません。動物愛護管理法が制定されているこの日本で、散歩途中に捨て猫を発見した場合の連絡先や手順をしっかり定めて欲しいと思います。でないと飾りだけの法律になってしまいますから。
野良猫は、なりたくて野良猫になった訳ではありません。おうち猫とは違い、暖かいベッドも無ければ美味しいご飯・おやつも無く、いつ食べられるかわからないという過酷な環境の中必死に生きています。これ以上野良猫を増やさないようにするためには、人間が考え方を変えなければ野良猫は減りません。お金を惜しんで去勢手術を行わなかったり、マイクロチップを埋め込まなかったり。今いる野良猫の保護活動をしているボランティアの方の中にはすべて「自費」で行っている方もいます。動物のことを軽視している人間はおそらく「馬鹿みたい。もったいない」と思うことでしょう。それは違い、愚かなのはそのようなことを言う人間です。自分の収入(生活費)を手術費用に充てたり病院の治療費やフード代に充てたり・・・。普通の人ができることではありません。しかし、愚かな人間がいる以上、そうせざるを得ないのです。猫を捨てたり虐待したりする人間がいる限りやめることができないのです。「飼えないから・病気になったから」と言って猫を捨てたり、お金がもったいないからと去勢手術をしなかったりすることが野良猫を増加させているのです。どんな仔猫でも数年経てば成猫になります。去勢手術を行っていれば子供は産みません。しかし手術を行っていなければ1回の出産で4~5匹の仔猫が産まれます。このようなことを繰り返して野良猫が増えていくのです。
猫に限らず、動物を「生かすも殺すも人次第」だと思います。
現在の日本には多くのボランティア団体が存在します。野良猫をうに無償で去勢手術を行っている個人・団体もあります。また、保護をして手術を行い、手術後にもとの場所に「地域猫」として戻す活動(NTRという)を行っている団体もあります。
「動物の飼い主として恥かしくない行動・人間として責任ある行動」を人間ひとりひとりが行えば、かわいそうな野良猫(動物)は確実に減少していくことでしょう。そのような、猫と人間とが共に共存できる社会になることを私は願っています。
猫の保護は、決して簡単ではありません。猫が集まっていると情報が入ると現場へ向かい、周辺を調査します。猫の通り道や集まる場所などを確認すると、そこへ捕獲器を仕掛けます。しかし猫も馬鹿ではありません。時にはおやつだけ綺麗に食べて罠にかからない子もいます。複数の猫がいる場合には、複数の捕獲器を仕掛けます。その時に私たちは信じられない光景を目の当たりにすることもあるのです。
↑この写真を見て、何を感じますか?
この写真は、ある中華料理店の敷地に集まる猫を写した写真です。器の中にはキャットフードではなく、人間、おそらく客が食べ残した「残飯」が入っています。この猫たちは、キャットフードではなく人間の残飯を食べているのです。人間の食べ物の中には猫にとって有害なものも多くあります。味付けも同様、中華料理は比較的濃い味付けがされています。そんなことも考えず猫に残飯を与えるなど、知識がないのは明白です。
↑この子も、何を食べているのかはわかりませんが、おそらく人間の残飯を食べているのでしょう。ここの猫たちは、劣悪な環境で暮らしており、酷い疥癬の子も確認できました。
この子たちに残飯を与えていた人間は、避妊・去勢の提案・申し出には一切応じませんでした。しかし、数か月という長い期間をかけて説得に通い、2021年の夏に10匹、同年11月に4匹に手術をすることができました。
人間は、猫や犬にただ「エサを与えれば良い」訳ではありません。人間と同じ「生き物」なのです。避妊・去勢手術に応じないのであれば、飼い猫と同じ。日頃からしっかりした環境で飼育し、しっかりした食べ物を与えなければなりません。毎日、体調を把握し犬であれば散歩、猫であればスキンシップをとったりしなければなりません。この子たちがもし野良猫であるならば、何の権限があって手術に応じなかったのか、ただ自分の敷地に猫が住みついているだけで手術を拒否する権限がどこにあるのか、住みついている猫に治療を受けさせるだけの経済的余裕があるのか聞きたい思いです。いや、野良猫の去勢手術を拒否するのであれば、この質問に答える義務があると私は思います。もし答えが「可哀そう」という理由であるならば、その考えは間違っています。手術を行わず放置して数が増えてしまうほうが「可哀そう」な子を増加させてしまうのです。
自分ですべての猫に去勢手術を受けさせることができないのに手術の申し入れを拒否するのは、まともな人間がすることではありません。異常者のすることです。
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ロゴに秘めた思い
ロゴを作成するにあたり、全ての保護猫が怯えることなく、まったりと顔を洗える社会を作りたいという思いを込めました。また、体の色は、色のように数多くの猫の種類があるということを意味しています。
保護猫の部屋🐾にゃんこ日和🐾のページへようこそ!野良猫の保護活動を個人でやっています。日頃の活動内容を知っていただけたら幸いです。
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MediaStation DreamLetter
神奈川県南足柄市在住。
猫十数匹(保護猫含む)犬2頭を飼育。
今から約11年前に現・神奈川県動物愛護センターより保護犬を譲り受けた事をきっかけに猫の現状を知り、少しでも野良猫を救うために活動を開始。NTR(捕獲・手術・リリース)の活動を始める。各ボランティア団体と連携を図りながら活動をし、個人活動のため限界があり、現在も少数ではあるが野良猫を保護し手術を施し地域猫として戻す活動を行っている。
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